あおらみ澄むほど
その山は遠く
かがやきひかるほど
その頂は凍てり
人生が夢だとするのなら
いつか、お前は目覚めるだろう
生きる夢をみたとはおもわず
死ぬ夢をみたと語るだろう
だがそれを聴くものはない
お前の咳(しわぶ)く、その音はしない
きみを描きたいとおもう
きみを描きたいとおもう その度に
筆と絵具を交わらせる術をしらぬことを悔やむ
きみを永遠のものにしたいとねがう
きみを永遠のものにしたいとねがう その度に
満ちた月についての
一茶の句から
白い光の球体があらわれて
眠りをさまたげる
雪上に散ったさくらのように
鮮烈な一茶の句から
暮れなずむ虚空の天に
雁がねばかりが響く
還る鳥たちの声に
心は掻き乱れる