Biography
Beyond this there is no tomorrow…
グンアージャブ・アヨルザナ 略歴

詩人・作家・翻訳家。1970年、モンゴル国バヤンホンゴル県生まれ。

1988年から1994年、ロシア連邦モスクワ市のゴーリキー名称文学大学修了。モンゴルに帰国後、作家活動の傍ら、日刊紙「アルディン・エルフ」紙などで記者、編集者を務め、後に「ウチグドゥル」紙を発行。2000年以降は執筆、翻訳等の文筆業に専念。

 

1995年に処女詩集『稚(おさな)き詩編たち』を出版。その後も『時の瞬く間に』(1998)、『哲学の詩』(2001)、『Non Plus Ultra』(2005)、『心を覗き込む彼女に』(2009)などの詩集を出版。2013年には、これらの詩集を編纂し一冊にまとめた自選詩集『瞑想』を出版した。

 

小説では、短編集『愛なき世界のブルース』(2002)を皮切りに、長編小説の『シャマン伝説』(2010)、『シュグデン』(2012)など、話題作を発表しつづけている。2008年に出版された『三篇の小説』は、『幻影/ Magic Mirage』(2003)、『十の夢の借り』(2005)、『こだまより生まれし者』(2007)という互いに関連性をもった三つの中編小説を“三部作”として一つの小説にまとめたもの。最新作は、『白、黒、赤』(2014)。

 

世界の哲学・思想・文学芸術の精粋を紹介する哲学・芸術思索叢書シリーズ《新時代の叢書》を発案し、『2×2=6 60人の天才思想家』、『現代の偉大な思想家たち』、『禅 –俗世を離れ-』など、全10巻を執筆、出版した。また、モンゴル国の優れた文学作品を集めた『モンゴル詩歌選集』、『モンゴル短編小説選集』を夫人でもある詩人・作家L.ウルズィートゥグス(Л.Өлзийтөгс)とともに編纂、発行。これらは、自ら翻訳も手掛けた『世界詩歌選集』、『世界短編小説選集』とともにモンゴル国でロングヒットのベストセラーとなり、多くの読者に愛読されている。その他にも、モンテーニュ『エセー(随想録)』、ウィリアム・フォークナー小説集、ボルヘス小説集、サルトル『言葉』、現代アメリカの代表的詩人クリストファー・メリルの詩集など、多くの翻訳作品を発表している。

 

米アイオワ大学のInternational Writing Program (2007) 、コペンハーゲン国際詩祭(2009)、アジア現代詩祭・北京(2009)等への参加をはじめ、国際的な文学活動の場でも活躍しており、日本へは東京ポエトリーフェスティバル(2008)の際に来日。アヨルザナの詩は、セルビア語・マケドニア語・トルコ語・ハンガリー語等を含む30以上の言語に翻訳されている。また短編小説『雪のロマンス』はロシア語・英語・韓国語・日本語等に、長編小説『シャマン伝説』、『死にゆく鳥の翼』は韓国語に翻訳されるなど、その作品は外国でも高い評価を得ている。

 

2002年 金の羽賞、2003年 モンゴル作家同盟賞、2009年 モンゴル国文化功労者の称号を受章。